突然の嘔吐から始まり、腹痛、下痢、発熱がある、といった場合、大体が胃腸炎(おなかの風邪)です。子どもの場合は、なんとなくくずくずしている、まとわりつくといった症状で気がつくこともあります。原因はウイルス(ノロ・ロタ・アデノなど)が大半で、感染力が強いのが特徴ですが、数日で回復します。体力の落ちている時や、抵抗力の弱い子どもに感染しやすい病気です。

 症状が悪化すると、脱水症状になってしまいます。脱水症状が進むと点滴や入院の必要がありますので、早めの受診を心がけましょう。

脱水症状 

激しい下痢が1〜2日以上続いている。
飲水・食事ができない。
嘔吐が1日以上続いている。
返事が無い、にぶい。
うとうとしている。
8時間以上尿が出ない。

赤ちゃんや小さい子どもの脱水症状は急速に進みます。 上記の症状が1つでもあれば脱水の疑いがあります 。ただちに受診しましょう!

治療

むやみに手持ちの抗生物質を飲ませると、下痢を助長させてしまいます。絶対にやめましょう。基本的には抗生物質が必要の無い場合が多いです。当院では、五苓散・胃苓湯・半夏瀉心湯・ビオフェルミンなどのお薬が処方されます。

吐き気が強くて飲めない時は、お尻から漢方薬を入れることもできます。ご相談ください。

食事管理

1)水分補給  〜少量ずつ、何回かにわけて〜

イオン飲料やリンゴジュースを倍に薄めて(味が濃いので)与える。薄いみそ汁やすまし汁、麦茶、水でも良い。牛乳や乳製品、柑橘系のジュースは避ける(下痢や嘔吐が助長される)。

2)食べ物 〜2、3日とれなくても大丈夫〜

おかゆ、うどん、パン、バナナ、りんごなど。
消化の悪いもの、油っこいもの、乳製品、生ものは避ける。

胃腸炎は予防ができず、感染力が強いので何度でもかかったり、家族が次々とうつってしまうことがあります。汚れた手や唾液などを介して感染しますので、手洗い・うがいを心がけましょう。